コラム

 公開日: 2016-02-15 

財産分与の対象にならないもの(特有財産について)

 つい先日は春の嵐が吹いたと思うと、今日は一転して冬の寒さに。そのおかげ?か、先週あたりから体調を崩し、更新がずれてしまいました。そろそろ「三寒四温」ともいう時期ではありますが、それにしても少し気温の変動が激しく、体調がなかなかついていかない感じがします。
 写真は先日行った、岡山・備中国分寺の写真。この近くのかんぽの宿によく買い物に行っていた時期があるため、遠くからは見慣れていますが、近くまで行ったのは小学校のいつ頃かに遠足で行った以来です。その頃と景色がほとんど変わらないことに改めて感心しました。江戸時代に創建の立派な五重塔は一見の価値があります。春は蓮華、夏はひまわりが咲いてまた違って風情が楽しめるようです。
備中国分寺

 さて、今日は財産分与について。財産分与は分与対象財産にはどういったものがあるか、ということと寄与度がよく問題になりますが、今日は分与対象財産にならないもの、すなわち特有財産にはどういったものがあたるかについて取り上げます。

どんなものが特有財産にあたるのでしょうか?

 夫婦の一方が結婚前に取得した財産・あるいは結婚中に夫婦のどちらかが自分の名義で取得した財産は、その取得した人の財産であって、結婚したからといって取得したのでない方が権利を有するようになるわけではありません。これを「夫婦別産制」といい、上記のような財産を夫婦の一方の「特有財産」、あるいは「固有財産」といいます。
 これ以外の、結婚後共同で形成した財産については、夫婦どちらに属するか明らかでないのが一般なため、法律上夫婦共有に属すると推定されています。これが、一般的に分与対象財産とされているものです。
 ただ、前述のように考えると、特に結婚中に夫婦のどちらか名義で取得したものについては、分与対象財産にあたらないことになってしまいそうです。となると、普通は特に高額の買い物、不動産や車といったものは夫婦のどちらか(通常は収入がより多い方名義で取得することが多いでしょう)の特有財産となってしまい、不公平となるでしょう。
 そのため、実務では、夫婦が結婚期間中に形成した財産は通常夫婦が協力して形成したものであって、その財産への寄与も夫婦が同等として、結局のところ分与対象と考えています。
 ですから、特有財産となるのは結婚前に取得した不動産・預貯金など、あるいは結婚後の相続や贈与により取得した不動産・預貯金など、が典型的なものになります。

特有財産であることをどう証明すればいいでしょうか?

 不動産であれば、比較的簡単で不動産の登記事項証明書で通常明らかにできるでしょう。
 これに対して、預貯金は証明が困難なことが多いように思われます。相続や贈与であれば、それが明らかにできる書類(遺産分割協議書や贈与契約書など)と入金が明らかな取引履歴で証明ができるように思えますが、その後分与対象財産の基準時(別居時)までに相当期間があれば、その間に使ってしまっていることもあるでしょう。婚姻までの預貯金も同様です。また、結婚後の収入も入る預貯金口座に入金していると、分与対象財産と混じってしまっていたりして区別が難しいこともあります。
 一番わかりやすいのは、共有財産の入る口座とは別の口座へ入金されている、あるいは定期預金にしてあるケースでしょうが、実際将来のことまで考えて預金が混在しないようしてあることはむしろまれなように思えます。
 特有財産であることが分かる資料はできるだけ揃えつつも、分与対象財産である口座への入金である場合は、共有財産との区別が難しくなる可能性があることについては注意が必要でしょう。

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