コラム

 公開日: 2016-01-12  最終更新日: 2018-03-02

別居までの多額のお金の使い込みが判明した場合

  今日のテーマは「別居までの多額の金員費消が発覚した場合」についてお話したいと思います。
 通常、結婚後夫婦の一方が主に家計を握っていることが多いのではないかと思います。管理しているのは収入が多い方かそうでないかはその家庭それぞれですが、他方は任せっきりであまり把握しておらず、いざ結婚生活がダメになって、預金口座などをみて、使途不明金が判明する、ということがあります。

 結婚生活が長ければ、遡っての使途の説明は難しいことが多いでしょうが、そういった使途不明金の使い道がはっきりせず、明らかに日常生活に必要な限度を超える費消があるそうな場合、管理を主に担っていた者に対して、他方はどんなことがいえるのでしょうか?

 

多額の金員費消について不法行為責任を問えるでしょうか?

 多額の金員費消について、他方の了承を得ていたのであれば、不法行為責任が問題になる余地はありませんが、了承を得ていなかった場合(問題になるケースはこちらの場合でしょう)、それでは直ちに不法行為責任を問えるかというと一般的には難しいでしょう。
 というのも、夫婦の間では日常家事の範囲内で、他方名義の預金などからの払い戻しを受けてお金を使うことはお互い許しているのが一般で(だから主にお金の管理を委ねていると思われます)、ある程度日常家事の範囲を越えていたとしても許しているとみうる場合が多いからです。日常家事の範囲かどうかはその家庭の収入や生活状況などにより個別にみていくことになります。
 ですから、逆にいえば日常家事の範囲をよほど越えていない限り、不法行為責任を問うのは難しいといえます。

 

日常家事の範囲内であっても不法行為に問われるのでしょうか?

 では、日常家事の範囲であっても不法行為責任を問われうることはあるのでしょうか。
 これについては、結婚生活が既にダメになり、先の家計管理を一方が他方に委ねている状態が解消されたという場合には問われうるとする裁判例があります。
 ただ、ここまでいくと、通常は別居に至っているでしょうから、他方に管理を委ねていた自分名義の通帳があっても、返還を受けるなどして使えなくしていることが多いでしょうから、こういった場合にあたるのはまれではないかと思います。
 また、仮にこういった破綻後の持ち出しがある場合には、個別に不法行為にあたるか問題とするよりも、離婚の話のなかで財産分与や慰謝料の中で検討していくものになるでしょう。

 今年に入り少し寒くなってきましたが、相変わらずの暖冬ですね。県北でも雪不足で、スキー場の雪が足りないようです。
寒いのが苦手(暑いのも苦手ですが…)な私にはこのくらいが過ごしやすいのですが、去年と比べてもかなり暖かいので、季節感がなくなってしまいそうです。
 事務所近くの稲生神社の写真です。今年の干支「申」の絵馬が飾られています。
 新春・稲荷神社にて

■関連コラム
 別居時のお金の持ち出しと生活費の支払い 
 会社経営者が離婚にあたって問題になりうること⑴
 財産分与にあたっていつの時点での財産・価値が基準にするのですか?

 
 


 
 

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