コラム

 公開日: 2015-12-24 

生活費の支払いを請求する人の有責性は考慮されますか?

 しばらく更新の期間が空いてしまい、あっという間に年の瀬に近づいてきました。今週で仕事納めという方もいらっしゃるようですね。
 
 Windowsをアップデートしてから使い方がよく分からず、写真が横倒しになっていますが…裁判所構内に生えている、タイワンフウノキです。10日くらい前の写真なので、今はもう少し葉っぱが少なくなっています。この木が色づいてくると、冬を実感するのが常ですが、今年は暖冬のためか、まだピンとこない天候ですね。

生活費の請求と支払いを求める人の有責性

 さて、前置きが少し長くなりましたが、今日のテーマは生活費(婚姻費用)の支払いについてです。
 生活費(婚姻費用)の支払いを求めたとき、「いや、相手が一方的に出て行ったのだから、支払ういわれはない。」と言って払わないケースがときどきあります。
 しかし、別居をしていても夫婦である以上、お互い協力し合って生活を支える義務があるため、基本的には別居の原因いかんにかかわらず生活費は支払われるべきものです。
 ただ、そうはいっても、たとえば一方の不倫(不貞行為)が原因で、夫婦仲が悪くなり、不倫をしていた方が家を出ていった、その上、生活費の支払いを求められたとき、支払う義務がある方は、「なんで夫婦仲がダメになる原因を作ったのに支払わないといけないのか…」という気持ちが強いと思います。
 そんな場合に、結婚生活のダメになった原因(破綻原因)を作ったかどうかにより、支払う義務ある者が支払いを拒むことができるのでしょうか?

婚姻関係破綻の有責性はどんな場合に考慮されるでしょうか?

 生活費の支払いは、上記のとおり日々の生活にあたって必要なものですので、出来るだけ迅速な判断が求められます。
調停でも、離婚請求と婚姻費用分担請求とが一緒に行われているとき、婚姻費用分担請求の話し合いの方が出来るだけ優先されるのもそのためです。
 ですから、婚姻関係破綻の原因のような、立ち入って判断が必要な事柄(それこそ裁判で正面切って争いになると、尋問手続きなどを経る必要が出てくるもの)については、厳密に判断となると長くなるので、余り考慮されないのが一般的です。

 ただ、結婚生活破綻の原因が明らかなケース(たとえば不倫(不貞行為)があり、ある程度はっきりした証拠があるもの)まで全く考慮しないとなると、夫婦が協力し合うという義務に反している者に対して、利益になりすぎるといえるでしょう。。
 そのため、そういったケースの場合は、たとえ支払い義務ある者が収入が多く、本来生活費の負担をしなければならないとしても、結婚生活がダメになる原因を作っている者からの生活費支払い請求であるから認めない、という裁判例がちらほら見受けられます。

 しかし、その場合でも、たとえば子どもを生活費を求める側が見ているときは、生活費の中に子どもの養育費的なものも含まれていることから、少なくとも養育費分の支払いは求められる傾向にあります。両親の結婚生活がダメになった原因云々は子どもにとっては関係ない事柄であるからです。

 したがって、いくら収入が相手方にあって、本来なら収入に応じて生活費の支払いを求められる場合も、一定の場合には制限されることがありうる、ということは念頭においておくべきでしょう。

 


 

この記事を書いたプロ

勁草法律事務所 [ホームページ]

弁護士 片島由賀

広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL:082-569-7525

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
弁護士の費用

■ 相談料初回の打ち合わせより、有料です。責任をもって、担当者が真剣にお話をきかせていただきます。初回打ち合わせの目安:30分 5,000円(税込) ■弁護...

ご相談の流れ

男女の弁護士がご依頼者様のニーズに応じ、法律相談をお受けしています。勁草法律事務所では、少しでもご依頼者様のお力になりたいとの思いから、夜間・日・祝日...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
片島由賀さん

依頼者の目線に立って問題解決に臨む法律事務所(1/3)

 「疾風に勁草(けいそう)を知る」―困難に遭って初めてその人間の本当の価値や強さが分かること―中国の故事成語に由来して名付けたという勁草法律事務所の名前には、“逆風に遭った時こそ依頼者の力になれる存在でありたい”という強い思いが込められてい...

片島由賀プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

逆風を追い風に変えるべく伴奏・伴走する存在であり続けます

会社名 : 勁草法律事務所
住所 : 広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL : 082-569-7525

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

082-569-7525

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

親切な対応で良かったです

親切で良かったです。また何かあった時にはお願いしたいと思...

30代・男性
  • 男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
本人同士で離婚の話が進まない場合はどうすればいいでしょうか?⑵
イメージ

 前回は、本人同士で離婚の話が進まない場合に取りうる方法をお話しました。 今回は相手方がそもそも話し合い...

[ 離婚調停 ]

本人同士で離婚の話が進まないときにはどうすればいいのでしょうか?⑴
イメージ

 そもそも二人では話ができない状況の場合 離婚を決意して夫あるいは妻側に提案する内容を決め、いざ夫や妻...

[ 離婚調停 ]

離婚を決意したとき⑶(その場合にしてはいけないこと)
イメージ

 前回(その2)は離婚を決意したときにしておくといいことについて取り上げました。今回は逆にしてはいけない・...

[ 協議離婚 ]

離婚することを決意したとき⑵(具体的にしておくべきこと)
イメージ

前回は、そもそも離婚をした方がいいのか・離婚を決意するかどうかで考えておいた方がいいことについて触れました...

[ 離婚原因 ]

離婚することを決意したとき⑴
イメージ

 そもそも、離婚をした方がいいのでしょうか?  離婚は、新しいスタートを切ろうというものですから、心機...

[ 協議離婚 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ