コラム

 公開日: 2015-11-30  最終更新日: 2018-02-28

面会交流の支援を行う第三者機関

 面会交流については、年々申し立てが増えてきている上、特に夫婦双方の対立が激しい場合にはなかなか面会交流自体の調整が困難なことも多く、難しいケースも多くなってきた印象があります。 
 今日はこういった夫婦の対立が激しい場合に利用が考えられる、面会交流の際の立ち会いの支援をしてもらえる第三者機関についてお話をしたいと思います。

当事者同士で面会交流を行う難しさ

 先にも述べましたように、最近は離婚の話し合いの際に、未成年の子どもがいる場合は親権や面会交流が大きな争いになるケースが多くなってきています。
 そもそも面会交流の日時、頻度、方法、場所の話合いが難しい場合もそうですが、仮に話し合いがついたとしても、現実に当事者である(元)夫婦が連絡を取って調整をし、実施をするのは負担になることもあるでしょう。
 特に、夫婦がまだ離婚の争いをしている最中である場合、離婚原因にDVがあり、(通常子どもをみていることが多い)DVの被害者である一方が他方に会って子どもの受け渡しをするのが難しいという場合には直接連絡を取り合うこと自体無理なこともあります。
 直接夫婦の間で行うのが難しいのであれば、親族にフォローしてもらうことも考えられますが、紛争がシビアな場合、親も含めて対立していることもあるため、簡単に協力を求めにくいという現状もあるでしょう。
 また、双方弁護士が代理人に就いている場合、弁護士が受任している間は調整をすることができますが、離婚事件が終わってからの調整となると別途費用が必要になりますし、面会交流にあたって適切な場所がないときは十分にフォローができないこともあります。
 そんなときに利用を検討するとよいのが、面会交流の支援をしてくれる第三者機関です。

 

面会交流の支援をしてくれる機関

 家庭問題情報センター(略称:FPIC)は全国的に面会交流援助を含めて支援を行っている公益社団法人で、東京のほか大阪、名古屋、福岡、広島などに相談室があります。
 家庭裁判所調査官経験者など家事事件の専門家が関わっている団体で、面会交流の日時・場所等の調整、面会交流時の受け渡しや立ち会いなどで支援を受けることができます。
 調停成立、審判までの事前相談を受けることが援助の条件とされていて、受ける支援によって費用も異なるため、当事者双方で費用をどのように負担するかも話し合い、取り決めておく必要があります。

 また、最近ではNPO法人等民間団体が支援を行うケースも増えているようです。全国的には約40の支援団体が活動をしているそうですので、そういった機関を利用してみるのもよいでしょう。
 
 それ以外には、厚生労働省の面会交流支援事業に基づき、支援を行う地方自治体もありますが、無償で支援を受けられるケースが限定されているようです。外国では国や自治体が経済的な援助をすることで、支援団体の活動を支えたり、機関を利用する人の利用料負担を軽くできるような支援をしているところもあるようですので、今後はさらに検討していく必要があるでしょう。

 ここ最近では離婚後も面会交流を行う方向で進めることが、実務上一般的になってきていますが、最初に述べましたように夫婦の対立が激しいと、特に子供をみている親が面会交流に否定的で、そのためか子供も消極的であったり、板挟みになっっているように思われるケースも見られます。FPICでは、離婚を考え始めた段階の親に対して面会交流の意味などを伝えるセミナーなどを行っているとの取り組みもあるようです。

 面会交流を円滑に行うことで、子どもの成長や将来にとってプラスに働くことが大事ですが、それに加えて、養育費をスムーズに支払ってもらえたり、その他子どもにまつわる問題が生じたときに両親が話し合える下地になることもあるでしょう。
そういった点も踏まえて、第三者機関の支援を活用できればよいと思います。

 季節はすっかり冬になってしまいました。先日は広島市内の北部や山の近くあたりでは初雪が積もっていたようですね。
マスクをつけて歩く人も急に増えたように思います。体調管理には気を付けましょう。
曹源寺参道
 先週の連休で行った、曹源寺という岡山市内の臨済宗のお寺の参道です。ちょうど紅葉が見頃でした。桜の季節には、境内の池(心字池)ほとりに生えている枝垂れ桜がきれいに咲くのだそうです。

このコラムに関連する内容の記事をご覧になりたい方はこちらをどうぞ。
面会交流の難しさ
面会交流の問題いろいろ
調停で定めた面会交流の取り決めが守られないとき


 
 
 

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