コラム

2015-11-09

財産分与の対象となる財産の調査(1)(不動産・預貯金)

 

財産分与の対象となる財産の調査

 今回は財産分与の対象となる財産の調査についてお話したいと思います。
 よくあるパターンとして、結婚後夫婦のどちらかが財産を管理していて、使い道も含めて全く把握していなかった、いざ結婚生活を続けることが難しくなったとき財産分与の対象となるものがよくわからない、というものです。
 たとえば、夫がサラリーマンで、妻が専業主婦、妻が家計全般の管理をしている場合は、通常給与の振込先を夫が会社に指定しているでしょうから、少なくとも給与口座がわかれば、大きなお金の動きは把握できるでしょう。
 ただ、給与口座から出て行っているまとまったお金があるとき、それ以外の口座が分からなければ動きがつかめなくなります。
 
 それとは逆に収入がある夫がすべて口座を管理していて、普段妻は生活費相当しか受け取っていない場合は、妻は夫名義の口座がわからないと分与対象財産の存在すら把握できなくなってしまいます。あるいは、夫婦共働きで、財布がそれぞれ別という場合も、同様に分与対象財産がわからないというケースも見られます。

  このような、分与対象財産が不明な場合、どういった方法で調べればいいでしょうか。

 

不動産の調査

 自宅が一軒家・マンションといった不動産については、不動産登記簿等資料を取り寄せれば、不動産の所有者を確認することはできます。ただ、地番と住所表示は異なるため、地番がわからないと不動産登記簿をストレートに取り寄せすることはできません。法務局や図書館にあるブルーマップで地番を確認してから取り寄せをすることになります。
 
 

預貯金の調査

 預貯金に関しては、不動産とは違い、基本的にはどこの銀行のどの支店に口座があるかわからないと調査が困難になります。また、仮に銀行や支店名が分かったとしても、個人情報の観点から本人以外の第三者が残高などの情報を教えてもらうことは委任状がない限りできません。
 ただ、既に夫婦で離婚の話をしているとき相手方から委任状を取り付けるのは無理でしょう。
 そうなると、離婚調停の際に調停委員を介して資料提出を求めたり、裁判所に対して、金融機関への調査を求める(調査嘱託といいます)ことにより、資料を取り寄せることになります。
 弁護士会を通じての照会もありますが、最近では、個人情報の関係があり、やはり銀行から開示を求めることが難しいようです。
 ですから、できれば別居のときまでにある程度相手方名義の預貯金の把握はしておくのがよいですが、難しければ上記の手段を使うことになります。
 
 財産分与の請求は、基本的には離婚成立から2年まで(正確にいうと、2年を過ぎても相手が応じる限り財産分与をすることはできますが、協議ができないときに審判を家庭裁判所に申し立てることができなくなります)という期間制限があるので、早めに調査に着手するべきでしょう。

 先週に引き続き、めっきり秋らしくなりましたね。
 広島駅前の遊歩道の紅葉
広島駅南口側の遊歩道の写真です。あちらこちらで葉の色付きが目立ってきています。

■関連コラム:目次
熟年離婚で問題になりうること(1)(概要)
熟年離婚で問題になりうること(2)
財産分与の際に問題になりうる資産
慰謝料と財産分与




 

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