コラム

2015-10-26

子どもとの面会交流を進めるために(試行的面会交流)

 急に木枯らしが吹いてきて寒くなってきました。10月も終わりに近づき、いよいよ今年もあと2ヶ月になってきました。早いものですね。
 先日、松江市に行ってきました。私は生まれが松江ですが、生後1年くらいしか住んでいないため、まだまだ松江のよいところが良くわかっていません。この日は山陰では珍しく、雲ひとつない、よい天気でしたので、宍道湖畔に行ってきました。写真は、宍道湖畔のお地蔵様と、嫁ヶ島の写真です。
 

 さて、今日は面会交流について再び取り上げたいと思います。
 面会交流といえば、これまで度々取り上げ、最近では面会交流を巡り対立が激しくなることが多いこと、養育費支払いなど他の諸事情と連動して問題になることも多いことなどお話しました。
 本日は、中でも試行的面会交流のお話をします。

試行的面会交流とは

 「試行的面会交流」とは、面会交流について夫婦両者の対立が激しい、あるいは子どもを見ていない親と子どもの面会交流が長いこと行われていない、あるいは子どもの状況から、面会交流を慎重に行う必要があるときに、家庭裁判所内の「児童室」というところなどで行われるものです。

 かつては面会交流が争いになっているときに、面会交流の合意をする前に、夫婦の間で練習のような形で行う場合を、「試行的面会交流」と捉えていたこともあるようです。
 現在では、どちらかといえば、上記のように、面会交流を単純に進めるのが難しいケースで、親子の交流場面を観察して、その後の面会交流がスムーズに行なわれるようにするために調整するうえで、この「試行的面会交流」が活用されているようです。

 「試行的面会交流」を行うにあたっては、以後の調整での話し合いに生かせるよう、十分な準備が必要になります。その上で、家庭裁判所調査官の役割は大きく、調整にあたっては必ず関与する必要があります。

試行的面会交流の進め方

 「試行的面会交流」は調停の期日内で行われる場合と、期日の間で調査として行う場合があります。
 どちらのやり方でも行われているようですが、期日の間で調査として行う場合は、日程調整が柔軟にできる反面、期日外となると調停委員などが関与できないため、実際の面会交流の場面に立ち会えないというデメリットがあります。
 ですから、事案に応じて、どちらで行うのが適切か、よく考えて実施するべきでしょう。
 
 裁判所(審判官)から、家庭裁判所調査官に「試行的面会交流の援助」をするようにとの命令があると、試行的面会交流を行う前に、夫婦双方からこれまでの監護状況や、面会交流の状況、現在の子供の養育環境などを聞き取ることになります。
 その上で、面会交流の進め方を調整していきます。
 家庭裁判所の「児童室」は、室内は最近よく見られるプレイルームと同じようなおもちゃなどが置かれた、明るい空間になっています。部屋の仕切りはマジックミラーになっていて、室内から外はミラーで見えませんが、隣の部屋から室内を観察できるようになっています。調査官、調停委員、今子供を見ている親などが面会交流の状況を観察したりできます。

試行的面会交流の意義

 試行的面会交流は、とくに長期間にわたって面会交流が行われておらず、また子どもの奪取の可能性がありうるケースでは、家庭裁判所内で関係者の立ち会いのもと、行われるということから現に子どもを見ている親からしても受け入れやすい方法ではないかと思います。
 ただ、そうはいっても、面会交流は子どもの将来の成長にとってよりよいものである必要があります。ですから、裁判所内で行われるといっても、これまで、子どもを見ていなかった親と子どもとの関係などから、子どもに過剰な負担がかかるような事情がある場合には、慎重に行うべきでしょう。
 また、通常試行的面会交流は大抵1回に限り、2回目以降は家庭裁判所外で行えるよう、調整をして実施することになりますから、面会交流を行う親同士が継続的に協力し合えるよう、お互いに配慮することが重要です。

■関連コラム:目次
 面会交流の難しさ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8707/

 面会交流の問題いろいろ  http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/9065/

 面会交流と親権者指定・養育費をめぐる争い http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8988/

 家庭裁判所調査官の立ち会い・関与 http://mbp-hiroshima.com/keiso-law/column/8963/

 

 
 

 
 

 

 

 
 
 
 

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