コラム

 公開日: 2015-10-06  最終更新日: 2018-03-10

財産分与の際に問題になりうる資産(子ども名義の預貯金・退職金)

 離婚の際に、お金のことで問題になるものとして財産分与があります。
 財産分与は別居までの結婚期間に夫婦が築き上げた資産について、築き上げた際の貢献度に応じて、分け合うことを主にするものです。
 財産分与については、貢献度(寄与度)についてどう考えるか、あるいはいつの時点での評価を元にするかなどさまざまな問題点があります。今回はそもそも財産分与の対象になるかが問題になりうる資産について、いくつか取り上げてみたいと思います。

1. 子ども名義の預貯金
 たとえば親族からお祝い金やお年玉、誕生日祝いなどで受け取ったお金を子ども名義の預貯金口座に入れているが財産分与の対象になるかどうか、というものです。
 未成年とはいえ、子どものためにと親族が贈与したお金であれば、もらったのはあくまでも子どもになります。ですから、先の財産分与を行う趣旨(主に結婚期間に夫婦が築き上げた財産を分け合う)からするとこの子ども名義の預貯金の出処 が夫婦以外にある以上、対象にはならないことになります。
 ただ、出処が夫婦いずれかの収入で、子どもの将来のためにと、子ども用に別口座を作りそちらに移しているケースもあります。そういった場合は財産分与の対象になる財産といえます。
 このように、子ども名義の預貯金口座については、そのお金の出処が夫婦のいずれかの収入か、親族から贈与の名目で受け取ったものか、ということが問題になります。そのお金の出処を確認しつつ、最終的にはその口座を作った目的も踏まえて、財産分与の対象にするかよく話し合って決める必要があるでしょう。

2. 退職金
 退職金は、勤め先会社を退職する際に受け取るものであり、給料の後払い的な性質をもつものです。
 退職金は既に受け取っている場合は、現実化したものといえますが、まだ年齢も若く、退職まで何年(場合によっては何十年も)も先のこともあります。そういった場合でも分与の対象になるのでしょうか。
 既に受け取っている退職金については、稼働期間と結婚期間(別居まで)に応じて、按分して分与対象額を決めることは容易だと思います。
 よく問題になるのは、将来受け取ることになる退職金についてです。別居時に仮に退職したとしたら受け取れる金額を会社に証明書の形で出してもらうことはできると思います。
 ただ、数年後に受け取る場合ならともかく、そうでない場合には、会社の業績や社会情勢等によって、大きく金額が変動したり、場合によっては支給されない可能性もあります。また、最近では退職金を金額で決めるのではなく、確定拠出年金による場合、あるいは併用しているところもあるようです。
 ですから、将来いくら退職金を受け取ることができるか、受取額がいくらになるかということを現実的に予想することはむずかしくなります。通常は数年後(5年、6年くらいが多いように思います)に退職する予定で、その時点の退職金の額がはっきりしているときは財産分与の対象にすることが一般的でしょう。
 それ以上(10年を超える)になると、退職時に支払う合意が成立すればともかく、そうでないと財産分与の対象にしない方向になるのが多いように思われます。

 今回取り上げたもの以外にも、不動産や株式、保険の解約返戻金などが財産分与の際に問題になりえます。
 特に不動産については、頭金の処理や住宅ローンのことなど、色々な問題がありますので、別の機会に取り上げたいと思います。

 鞆の浦(福山)沖にある、島の写真です。
  
初上陸前の仙酔島

  
  
    

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