コラム

 公開日: 2015-09-21  最終更新日: 2016-12-29

養育費と支払う側・支払いを受ける側の収入

 養育費の金額を決めるにあたっては、裁判所で使う、いわゆる養育費の算定方式・算定表によるというのは既にご存じでいらっしゃるのではないかと思います。

 ですから、養育費の金額については、若干調整が必要なこともありますが、基本的には(元)夫婦双方の総収入に従って決めていくことになります。

 ただ、収入についてどう捉えるかによって、算定の際に問題になりうるケースがあります。

➀ 自営業者の場合
  自営業者は、通常は確定申告をしていると思いますので、それによることになります。その場合「課税される所得金額」がいくらかによって決まってきます。
ただ、たとえば専従者控除のように、実際に支出をしていないのに、給与を払っている形にしていたり、生命保険料控除のように既に算定表のなかで特別経費として考慮されているため、さらに考慮すると二重に計上されてしまう場合があり ます。
  そのため、確定申告に記載された金額をそのまま通りに鵜呑みにできないため、注意が必要です。

➁ 今現在収入がない場合
 夫が失業をしているが、場合、あるいは妻が出産などで一旦無職という場合、夫・あるいは妻の収入をどのように考えればいいでしょうか。
 今収入がない、という点を重視してしまうと、全く夫あるいは妻の収入がないものとして考えることになります。
 そうなると、支払義務があるのが夫で、無職であれば、妻は全く支払いを受けられない・あるいは支払いを受ける妻が無職とみると、養育費が思ったより高くなります。その後養育費を決めたあとすぐ働くようになれば不公平感が出てきます。
  さらに、養育費を決める際にある程度就労の見込みがあった、となってしまうと、その後事情が変更したとして一度決めた養育費を変更することもままならなくなくなってしまいかねません。
 そのため、現在収入がなかったとしても、たとえばこれまでコンスタントに就労の実績があって、就労する可能性が比較的高い場合、あるいは何がしかの資格を持っていて転職できそうなときは、「潜在的稼働能力」があるとみることがあります。
 その場合に考慮する収入は、たとえば同年代の労働者の賃金センサスや、直近の収入を参考にして決めていくことになります。
 もっとも、結婚前もほとんど就労の実績がなく、結婚後もずっと専業主婦であったという場合は、子どもがある程度以上の年齢であり、本人も特段健康状態に支障がなかったとしても、なかなか潜在的稼働能力があるとはされないのが現状のようです。とはいえ、地方によって捉え方も違うようですので、注意が必要です。

今日撮影した厳島神社の鳥居の写真です。


■関連コラム:目次
 離婚は合意しているが条件面で争いがあるとき
 離婚後の養育費の支払いについて(1)
離婚後の養育費の支払いについて(2)
離婚後の養育費の支払いについて(3)
養育費に関すること色々
  

 
 


 

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