コラム

2015-08-05

親権者の指定で争いがあるとき

 最近は少子化や育児への男性の関心の高まりなどからか、面会交流とともに親権者指定が争いになることが増えてきました。

婚姻時は、夫婦が共同して親権を行使することが原則とされていますが、離婚にあたっては単独親権となるため、どちらが親権者になるかを決めなければなりません。

 このように、離婚の際夫婦どちらかの単独親権となるため、双方が親権者になることを譲らなければ、シビアな争いになってきます。話し合いがつかなければ、その後裁判所での調停手続き・訴訟になったときにも解決が困難になる可能性があります。

 それでは、親権者に夫婦どちらがなるか争いになったとき、どのように定められることになるでしょうか。親権者を定めるにあたっては、あくまでも子どもの福祉・子どもの将来の成長にとってどちらが親権を獲得することが利益になるか、という観点で考えていくことになります。

 具体的に考慮される要素としては、主に4つあります。すなわち、➀現在までの子どもの養育状況、➁今後の養育方針・養育する上での環境、③夫婦の一方が親権者になるのが適当な理由、④他方が親権者となるのが不適当な理由などです。そしてこれらをみていく上で、親権者の事情・子どもの事情を具体的にみることになります。最近では、子どもをみている親が他方の親との面会交流を認めることができるかという点も考慮するようになってきており、複雑化してきているといえます。
 
 時々みられるのが、現に子どもをみている親が親権者になりたいとの主張をしているが、不倫・不貞行為があったとき、他方が不倫・不貞行為をするような親に子どもは任せられない、と主張するケースです。ただ、前述のように、子どもの福祉から親権者がいずれになるのがよいか考えることからすれば、子どもをみている親が不倫・不貞行為があったから即親権者として適切ではない、とはされません。その親が不倫・不貞行為をしていたときに、子どもの面倒をみるのがないがしろにされていた、育児放棄をしていた、という事情があった場合に考慮されることになるのです。

 上記の考慮要素のなかでも重視されるのが、子どもと親の結びつき、子どもの意思とされています。
 子どもの親権者指定にあたっては、母親の方が有利ではないかという質問もよくあります。子どもが幼ければ幼いほど母親が現に面倒をみているのが普通であることから、そういった場合は母親が親権者になることが多いと思われます。しかし,父親が子どもを引き取って面倒をみており、監護補助者の協力もあるという場合は、父親が親権者になることもあります。
親権者指定にあたり、「母親優先」というよりも「母性優先」といわれるようになってきているのも、上記のような場合を加味してのことといえます。

 また、子どもの意向については、満15歳以上であれば子どもの監護者指定などの審判手続きのとき子どもの意向確認が必要とされていますが、調停でも十分に考慮する必要があります。ちなみに、子どもの年齢がおおむね10歳前後であれば考慮されているようです。

 親権は子どもの視点からみて、親が果たすべき権能・責任といえます。ですから、先にも述べたとおり、子どもにとって健やかに成長するためには誰が面倒を見えるのが適切といえるか、という観点で考えていくことがなにより重要になります。

 酷暑が続いています。国宝・松江城です。 
 





 

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