コラム

 公開日: 2018-01-10  最終更新日: 2018-03-09

改正民法の施行日が決まりました⑵(消滅時効の期間の変更)

 前回、改正民法の施行時期が決まったということで、改正される内容について少し触れました。今回はその続きです。

今の民法における消滅時効に関する規定の内容は?


 「消滅時効」とは、一定の期間に権利が行使されなかったことで、その権利について請求できなくなるというものです。たとえば、AさんがBさんにお金を貸して、たびたび支払ってくれるよう求めていたものの、支払いがないまま一定期間放置していると、裁判を起こしたとしても相手方から、一定期間過ぎているから権利はなくなったと言われてしまうと、支払いを求めることができなくなります。
 今の民法では、債権の消滅時効は10年が原則で、消滅時効の起算点、つまりいつから消滅時効の期間がカウントされるかについては、権利を行使できるときから、とされています。また、それ以外に短期消滅時効といってそれよりも短い、1年~3年で時効にかかるものが個別に定められています。たとえば、病院にかかったときの診察費は3年、塾代は2年、飲食の料金は1年、などとなっています。

改正されるとどのように変わるのでしょうか?


 権利を行使できるときから10年間行使しないと時効で消滅する、という点は改正後も今の民法と変わりません。しかし、改正法では、債権者が権利行使ができることを知ったときから5年行使しない場合も時効消滅すると新たに設けられることになりました。どちらかの時効期間が過ぎれば消滅時効となるとして、統一されています。それに伴い、上記の職業に応じて発生する債権の短期消滅時効は廃止されています。
  ですから、改正後は契約で支払い時期を定めているものについては、支払い時期がいつかは当然請求する側も取り決めがある以上、知っている扱いになりますから、そこから5年で時効にかかってしまうことになります。
 時効期間についての改正で、消滅時効の期間がこれまでは10年と考えれば良かったものについて、5年と短くなる場合が増えると考えられます。そのため、とくに何かしら権利を請求する側になるときは、以前よりも早く時効になったと主張されないように気を付ける必要が出てきます。

生命・身体の損害による損害賠償は時効になるまでの期間が延長


 また、生命・身体の損害による損害賠償請求については、権利行使ができることを知ったときから5年間、権利を行使できるときから20年で消滅時効になるとの規定が新たに設けられました。そのため、不法行為に基づく損害賠償請求でこれまで行ってきたものについても、上にあてはまるケースについては、今の法律(被害者または法定代理人が損害及び加害者を知ったときから3年間または不法行為の時から20年間行使しないと権利行使が出来なくなる)よりも時効になるまでの期間が長くなります。それによって被害者の救済を図っています。
 ですから、離婚に関連するところでいうと、DVにより怪我を負ったというケースでは、これまでの怪我を負って3年で時効になるのと比べると、2年請求できる期間が長くなることになります。
 同じく離婚に関するところでは、養育費の支払いといった月ごとの定期的な支払いに関する債権の消滅時効の規定が現行法ではあります。ただ、これについては、先の5年か10年か、という一般的なくくりでいきますから、結局のところ5年で時効になる点に変更はありません。

稲生神社の絵馬
事務所近くの稲生神社の絵馬です。いつも可愛らしいイラストで動物が書かれていて、楽しみにしていますが、今年の絵馬はこんな感じです。

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改正民法の施行日が決まりました⑴(意思能力の明文化)
養育費の支払は時効にかかりますか?
慰謝料・財産分与の請求に期間制限があることに注意

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