コラム

 公開日: 2017-07-13 

養育費の支払いは時効にかかりますか?

 話し合いで離婚するときには、子どもの親権者の取り決めが必要ですが、それ以外にも面会交流や養育費についても話し合いで決めるように、との定めが法律で決められていますが、実際のところは決めないまま離婚、というケースもまだ多いように聞きます。
 仮に話し合いで養育費の金額を決めたとしても、支払いがない、あるいはあっても滞るというケースも少なくありません。その場合に、いつまでも支払いがないまま期間がすぎてしまうと、請求ができなくなってしまうことがあるのでしょうか?

養育費の支払いないまま期間が経過すると時効になることも

 養育費の支払いというのは、通常月ごとに支払いをしてもらうことから、法律上は「定期金債権」という扱いになっています。
そのため、毎月支払い期限が来て、消滅時効の起算も始まることから、「年またはこれより短い時期によって定めた金銭その他の物の給付を目的とする債権」ですので、5年で消滅時効にかかります。
 ですから、最初に支払いがあったものの、その後滞ってからそのまま支払いなく時間が経ってしまうと、5年で請求できなくなってしまいます。
 時効にかからないようにするには、滞った養育費について支払いをしますとの書面をあらかじめとっておくというのも一つですが、そのまま支払われないと結局時効になってしまいます。相手方が給与を受け取っていて、勤務先もわかっているのであれば、公正証書、あるいは調停・判決により支払いが滞っている養育費のみならず、将来の養育費分も含めて差し押さえをすることで、時効が進むのを止めることもできます。なお、支払期限が到来している過去の養育費分について、調停や判決などで確定していれば、消滅時効は10年に延長されます。
 まだ支払い期限が来ていない将来の養育費については、内容が判決などで決められていても、5年で時効になります。公正証書で過去の養育費分の支払いについて定めている場合は、貸金についてですが、判決など裁判所で決められたものでないことなどから、同じように扱えないとして5年とされる可能性があり、実務上も分かれるようです。
 なお、先日5月に成立しました民法改正によれば、養育費のような定期給付金債権の個別の定めはなくなり、債権一般の定めに統一されました。これによると、養育費については月ごとに決めた支払い期限が来れば権利行使ができると知っているのが普通ですから、5年で消滅時効にかかることになります。ですから、法律改正前とあととで、消滅時効の期間については変わらない扱いになっています。その他、判決で確定した権利の消滅時効の期間(10年より短い定めがあっても10年、ただし確定時期限が到来していないものは適用しない)も法律改正により変更はありません。
 いずれにせよ、支払いなきまま放置していると5年で消滅時効になる点は変わりませんので、それまでに何らかの手段をとっておく必要があります。


縮景園・白鷺つき
 久々の縮景園です。花はあらかた終わってしまっていて、紫陽花がまだ少し咲いているくらいでした。
 夕方だったためか、動物はちらほら見かけました。写真はシラサギですが、アオサギもいました。シラサギもアオサギも、夏の季語です。その他、サワガニやあめんぼうもよく見かけられました。

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