コラム

 公開日: 2016-12-26 

夫婦の一方が家を出たとき同居を求める方法は?

 法律では夫婦は同居し、互いに協力し助け合わなければならないと定められています。最近は仕事の都合や子どもの学校などの事情から、夫婦が別々のところに住んでいるというケースもみられますが、そういった理由によらずに、夫婦の一方が単身で家を出て行く場合や、実家に戻ったまま帰ってこなくなってしまうということがあります。
 こういった場合、他方が戻ってこない夫・あるいは妻に対して同居を求めるにはどういった方法があるのでしょうか?

家庭裁判所で同居を求める調停や審判の手続きによる

 このような場合、家を出て行ってしまった方に対して同居を求める調停を家庭裁判所に求めることができます。話し合いでまとまらないときは、裁判所が同居をするよう命じるべきか判断する、審判の手続きに移ることになります。

 

同居を拒む正当な理由があると同居請求は認められない

 さきに述べたように、夫婦には原則として同居をする義務がありますが、同居を求められた側に同居を拒む正当な理由があれば同居を拒むことが認められます。
 具体的には、同居を求める側に不倫や暴力、虐待があり、それを理由に他方が家を出ていってしまったときは同居を拒む正当な理由あり、とされています。
 また、同居をすること自体が客観的にも難しい場合、生活上の理由から一時的に別居しているとき、たとえばさきにあげたように仕事上、単身赴任をしている、あるいは親の介護の必要から、といった場合が挙げられます。
 

同居を認めるには相手方が同居に応じる可能性がわずかでも必要とする裁判例も

 ただ、婚姻費用(生活費)の支払いのように金銭的な請求と違って、同居をするよう強制できないため、同居を命じる判断が相当といえるには、同居を命ずることで、同居を拒んでいる側が考えを改めて同居に応じる可能性がわずかでもあることが必要とする裁判例もあります。
 この裁判例では、考えを改める可能性があるかどうかについて、単に家を出ていった方が判断の時点で同居を強く拒んでいるという事情だけで判断するのではなく、同居を拒む本当の理由・夫婦の結婚が破綻している程度・それについての双方の有責性・経済状態、同居を拒否する側に生活費が支払われている場合はそれへの依存度・子どもがいればその状況、同居の審判が出たときの影響、といった事情を詳細に検討して判断しています。
 ただ、裁判例での判断をみる限り、家を出ていった方の離婚の意思・同居を拒否する意思が極めて強いこと以外考慮しているものの、結局のところ同居へと考えを変える可能性はない、との結論に至っています。
 そうなると、実際のところは同居が認められる判断がされるのは限定的になるのではないかと思われます。

 平和大通りのイルミネーション
 先日撮影した平和大通りのイルミネーションです。もみじをイメージしているのでしょうか。「紅葉」は秋の季語ですが、錦木のような寒くなってから紅葉しているものもあります。そういった冬になっても残っているものを「冬紅葉」といったり、「残る紅葉」といって冬の季語になっています。
 いよいよ今年も1週間を切り、あっという間に年の瀬となりました。

 さらにこのコラムに関連する記事をご覧になりたい場合はこちらへ
 当面相手方と距離をおきたいときにどんな方法がありますか? 
 離婚と別居期間
 離婚の理由いろいろ
 


 



 
 

この記事を書いたプロ

勁草法律事務所 [ホームページ]

弁護士 片島由賀

広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL:082-569-7525

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
弁護士の費用

■ 相談料初回の打ち合わせより、有料です。責任をもって、担当者が真剣にお話をきかせていただきます。初回打ち合わせの目安:30分 5,000円(税込) ■弁護...

ご相談の流れ

男女の弁護士がご依頼者様のニーズに応じ、法律相談をお受けしています。勁草法律事務所では、少しでもご依頼者様のお力になりたいとの思いから、夜間・日・祝日...

プロへのみんなの声

全ての評価・評判を見る>>

 
このプロの紹介記事
片島由賀さん

依頼者の目線に立って問題解決に臨む法律事務所(1/3)

 「疾風に勁草(けいそう)を知る」―困難に遭って初めてその人間の本当の価値や強さが分かること―中国の故事成語に由来して名付けたという勁草法律事務所の名前には、“逆風に遭った時こそ依頼者の力になれる存在でありたい”という強い思いが込められてい...

片島由賀プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

逆風を追い風に変えるべく伴奏・伴走する存在であり続けます

会社名 : 勁草法律事務所
住所 : 広島県広島市南区的場町1-2-16 グリーンタワー5F [地図]
TEL : 082-569-7525

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

082-569-7525

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

片島由賀(かたしまゆか)

勁草法律事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
このプロへのみんなの声

説明通りに動けばスムーズに終わっていくので助かりました

説明が分かりやすかったので弁護士さんに依頼をしました。 す...

30代・男性のお客様
  • 30代/男性 
  • 参考になった数(0

このプロへの声をもっと見る

プロのおすすめコラム
離婚後1年経って子どもに会わせてくれなくなりました。養育費は支払わなければならないの?
イメージ

少子化や男性の育児参加の影響か、離婚の際、あるいは離婚後の面会交流に関するトラブルは増えてきています。そん...

[ 養育費 ]

「働き方改革」関連法律が成立しました⑴(「同一労働同一賃金」とは?)
イメージ

まずはじめに,進行形の所がありますが,この度の豪雨災害で被災された皆様方に改めてお見舞い申し上げます。皆様...

[ 労務問題 ]

変わる民事上の「成年」の年齢,どんな影響がある?
イメージ

つい先日ですが,「成年」に達する年齢が20歳から18歳に引き下げられる方向で民法改正案が成立しました。これに...

[ 民法 ]

相続関係の民法改正案について(その1・配偶者居住権)
イメージ

相続分野の民法改正案が3月13日に通常国会に提出されました。改正になれば、相続について40年ぶりに大掛かり...

[ 相続 ]

相続関係の民法改正案について(その3・自分で作る遺言書にまつわる改正)
イメージ

相続に関わる民法改正案がこの通常国会に提出されています。今回は、自分で作る遺言書(「自筆証書遺言」といいま...

[ 相続 ]

コラム一覧を見る

スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ