コラム

2016-09-02

生活費・養育費の金額を決めるのにローンなどの支払いは考慮されますか?

 生活費・養育費の月々の支払額は、夫婦双方の収入をもとに決めることになるのが一般ということはこれまでも触れてきました。
 ただ、収入をベースに考えると、実際にはたとえば〇万円の支払い、となりそうなところ、実際には借金の返済など負債があって、収入から導かれるとおりの金額を支払うと今度は支払う側の生活が立ち行かなくなる、ということもあります。
 こういった負債の支払いなど、収入ではなく支出の部分については、生活費・養育費を決めるにあたってどの程度考慮されるのでしょうか?

同居中の生活に必要であった借り入れの返済は考慮される

 これについては、借入がどういった目的のものであったかによりわけて考えるべきということになります。
 結婚期間で生じたマイナスの財産については、本来離婚に伴う財産関係の清算、つまり財産分与の中で考慮されるべきものといえますが、たとえば生活費や教育費、医療費などにあてるための借入は、そもそも婚姻生活を維持するのに必要であったといえます。
 そのため、借入をした人のみならず、その借入によって生計を維持できた相手も、返済額の何割かは負担すべきといえます。
 負担額の決め方については色々考え方があると思います。一つには、それぞれの収入に応じて、返済額を割付け、月々の支払いの一定額を、生活費ないしは養育費を受け取る者の負担分と計算し、その金額を生活費ないし養育費から引いた金額とするという方法です。
 あるいは、本来生活費ないしは養育費を受け取る者の負担すべき額を支払う側の収入から控除して、それを支払う側の収入として計算するというやり方もあると思います。
 それ以外でも、夫婦双方で合意ができるのであれば別の決め方でも可能でしょう。

遊興費の返済は考慮されない

 これに対して、生活費ないしは養育費を支払う側に遊興費(ギャンブルなど)にあてるための借入があり、その返済を考慮して欲しいといった場合はどうでしょうか。
 この場合は、使う人が一方的に利益を得ており、夫婦あるいは子どもを含めた家計の維持にあてるためとはいえず、また、そういったものへの支払いが、生活費や養育費といった日々の生計を立てるための支払いに優先するものともいえません。ですから、生活費・養育費の金額を決めるにあたっては、こういった支払いは考慮されないことになります。
 仮に考慮するにしても、算定表の1〜2万円の幅の中で考慮されるべきものでしょう。

慰謝料の支払いについても養育費算定で考慮されない

 また、これは離婚後の養育費の支払い額を決めるときのことになりますが、慰謝料を一括でなく、分割で支払うとなったとき、月々の負担が大きいので、養育費の支払い額を決めるのに考慮してもらえないか、というご相談があります。
 しかし、慰謝料の支払いは、結婚生活が破綻するのに責任ある配偶者が他方に精神的苦痛を慰謝するため支払うものであり、他方養育費は子どもが成長するにあたって日々必要になる食費、被服費、学費等にあてるための金銭であって、支払いをする目的、法的性質が全く異なるものです。
 また、慰謝料は本来一括で払うべきところ、支払いを受ける側が支払いを猶予してもいいと了承したことで分割になっているだけといえます。
 ですから、慰謝料の支払いと養育費の支払いとは連動するものでなく、別個で考えるべきものですので、特段支払いを受ける側が合意しない限り、慰謝料の分割での支払いがあるからその分養育費の支払いは減額されるということはありません。

鳴滝森林公園・滝までの小径
 意外と夏を過ぎてから花が咲いていたりというのを見かけないため、いい写真がありません。
 この写真は夏に鳴滝森林公園に行った際の滝まで行く道を撮ったものです。

 ここ最近、台風が次々とやってきて、また週末からも台風が来るようです。台風は「野分」ともいいますが、秋の季語になります。もともとは野の草木を吹き分ける風のことを指していたようですが、いまは台風でも使われています。また野分が吹くことを「野分立つ」というようです。
 

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