コラム

 公開日: 2016-08-15 

養育費の支払いと面会交流

 養育費を支払ってもらっていないが、子どもとの面会交流をしないといけないのかというご相談を時々伺います。
 以前、養育費の支払いと面会交流とのことに触れた際にもお話しました(「面会交流と親権者指定・養育費を巡る争い」)が、養育費の支払いがあるかどうかということと、面会交流をするかどうかとは関係がないとされています。

 養育費は親の子どもに対する、日常生活を送る上で必要な費用を負担するというものです。
 これに対して、面会交流は子どもの将来の健全な発達のために必要と考えられているものであって、別の必要性から行うものとされているのです。
 また、養育費の支払いの有無で子どもとの面会交流の有無を決めるとなると、子どもの面会交流が不定期になる可能性が出てきて、かえって子どもの負担が増えてしまうということから、切り離して考えるべき、とされているのです。

 ただ、実際のところ養育費の支払いのないにも関わらず、面会交流だけ別で行うことに抵抗を感じるのも、日頃面倒をみている親からすると当然のことのように思われますし、養育費の支払いがないとなると日々の生活に影響が出てきて、結局のところ子どもの健全な成長を阻害することにもなりかねません。。
 その場合でも、養育費の支払いがあるまで子どもとの面会交流はさせない、とするのではなく、面会交流は決まった形で行うにして、養育費の支払いについては家庭裁判所から支払いを促してもらう(履行勧告)、あるいは相手が給与を受け取っているのであれば差し押さえという形で別途回収を図ることになります。
 
 

養育費支払いがあっても面会交流が制限されるケース

 それでは、普段子どもをみていない親がきちんと養育費は支払っているものの、面会交流が制限されるという場合はあるのでしょうか。
 面会交流は先に述べたとおり、子どもの将来の健やかな成長にとって必要と考え行われるものですので、子どもの面会交流における様子などから、子どもにとって精神的負担になるようであれば、様子をみて制限をする必要が出てくることもあるでしょう。
 裁判例では、月に1回の面会交流を行うことを条件にして、離婚後2回ほど面会を行ったものの、子ども(3歳)が面会交流のときに他方の親のところに早く帰りたいと言ったりして、精神的に不安定な様子を見せるなどしたため、当面は写真や手紙などでの交流とするように、としたものがあります(岐阜家裁大垣支部審判H8.3.18)。

 養育費、面会交流いずれも子どもが小さいほど、長期間にわたって続くことになるので、離婚当初の状況から、子どもも大きくなり、養育費の金額にしても、面会交流の仕方にしても、状況に応じて変えて行く必要があるでしょう。
 その度に話し合いで解決できれば一番いいですが、それには(元)夫婦がお互い信頼関係があることが前提になってくるでしょう。難しければ、家庭裁判所での調整をその度に行う必要が出てくることになります。


三篠橋のふもとの柳の木
 柳自体は春の季語ですが、「夏柳」、あるいは「葉柳」となると夏の季語になります。
 葉が生い茂って涼しげな木陰を作っていました。
 あと1週間で「処暑」になるようです。「処暑」は暑さが峠を越えて交代し始める頃ですので、もうそろそろ秋が間近なのかもしれません。というもののそういった実感は感じられない今日この頃の天候ですが。

 

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