コラム

 公開日: 2016-09-28 

『低粗利益率のビジネスは、小資本企業には不向きです。』

■粗利益率の低いビジネス、高いビジネスは…

○最も粗利益率の低いビジネスは金融業です。
※金利を粗利益率と並列で表現することは少々乱暴ですが、こ
こではあえてそうさせていただきます。
数%、住宅ローンには1%を割り込む金利の商品があります。
大きな資金を極めて低コストで調達できて、長期間寝かせるこ
とができる事業背景があって、はじめて金融業は成立します。

○次に粗利益率の低い業態は商社です。
その与信力や保有する商圏を背景に、大きな取引の間に入って、
10%以下のマージンを収入源にします。安定した資本力・資
金力があって、はじめて商社ビジネスができます。
※商社のビジネスモデルは大きく変化しています。現時点では、
事業への直接投資を行って、より多くのリスクとリターンをと
る形態が主流です。

○次に粗利益率が低いのは流通業でしょうか。
商品を作るメーカーがあって、そのメーカーから商品を仕入れ
て売ります。製造に関する利益はメーカーがシェアします。販
売に関する利益が流通業態の利益になります。粗利益率は、
30%~50%弱でしょうか。

(…中略)

○最も粗利益率の高いビジネスは、コンテンツやノウハウを提
供するビジネスです。
仕入れはありません。自分たちの知恵で価値を創造して、それ
を販売します。

■粗利益率は外部との関わり度合いで決まります。

粗利益率20%、これはエンドユーザーに届くまでの役務・価
値の内の、80%は自社以外が担っている・生み出しているこ
とを意味します。
同様に、粗利益率50%はその関わり度合いが50%、粗利益
率100%はそれが100%であることを意味します。

■粗利益率100%が必ずしも優ではありません。

粗利益率100%とは、ユーザーに商品やサービスを届けるま
でに、他人の力を借りないことを意味します。良く言えば自前
主義、悪く言えば協業ができない、故に、一般論として粗利益
率100%のビジネスは大きくなりません。

■低粗利益率のビジネスは、小資本企業には不向きです。

低粗利益率のビジネスは、大資本家向けです。他人の知恵と、
自身の資本力・資金力をうまく活用して利益を上げます。金融
業や商社がこれに該当します。
一方、小さな資本しか持ち合わせていない中小・零細企業や独
立開業者は、「金は無いけど知恵を使う」ビジネスを行ってい
かねばなりません。その多くを他人の力に頼る低粗利益率ビジ
ネスで成功することはできません。極めて難解です。

■小資本企業にとっての適正な粗利益率とは…

○感覚論で恐縮ですが…40%以上を目指してもらいたいと思
っています。

◆(相談者様)
ネット通販で商品を仕入れて売ります。自己資金300万円と
借入れ600万円で事業を始めます。想定する粗利益率は20
%ぐらいです。これ以上の粗利益率をとると、売れないように
思います。
◇(当方)
事業資金総額900万円(内自己資金300万円)、粗利益
率20%で資金繰り計画・利益計画を作るとこうなります。
◆(相談者様)
そんなに厳しくなりますか。
◇(当方)
そうです。粗利益率を20%以上設定できないと考える前に、
粗利益率40%を設定しても売れる商品開発(商品発掘)に力
を入れませんか?

○仕入れの支払いサイトや資金の回収サイトにもよりますが、
総じて低粗利益率のビジネスは資金の動きが忙しくなります。
また、20の粗利益を得るために、100の回収リスクを背負
うことにもなります。経営が複雑で難解になります。

小資本企業が始める低粗利益率ビジネスは、成功の確率を最初
から大きく引き下げてしまっていることをご認識ください。
この機会にご一考ください。

この記事を書いたプロ

石田雄二税理士事務所 [ホームページ]

税理士 石田雄二

広島県広島市南区的場町1-1-21 クリスタルタワー3F [地図]
TEL:082-264-9024

  • 問い合わせ
  • 資料請求

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
石田雄二プロ

中小企業の財務機能を強化し、経営をサポート(1/3)

 「会社の設立を考えている方のお力になります。ぜひ、ご相談下さい」と、真摯なまなざしで熱く訴えかける石田雄二さん。会社設立と銀行融資に特化した税理士事務所の代表で、税務書類の作成などの一般的な税理士業務に加え、中小企業の経営コーチの役割も担...

石田雄二プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

起業家向け経営トレーニング、銀行融資サポート

会社名 : 石田雄二税理士事務所
住所 : 広島県広島市南区的場町1-1-21 クリスタルタワー3F [地図]
TEL : 082-264-9024

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

082-264-9024

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

石田雄二(いしだゆうじ)

石田雄二税理士事務所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる このプロに資料を請求する
プロのおすすめコラム
中小企業と持たざる経営

「持たざる経営」が称賛された時期があります。今でも、生産設備を自社で保有せず、好調な業績を上げているファ...

[ 経営 ]

一般社団法人という選択

一般社団法人は、登記のみで設立することができます(一般社団法22)。社員が最低二人以上で設立が可能であり...

[ 会社設立 ]

『★はじめての助成金申請におすすめ★少人数開催!助成金セミナー』
イメージ

●セミナー概要●助成金について、初心者でもわかりやすくお伝えするセミナーです①知らなきゃ損する「助成...

[ 銀行融資・補助金 ]

『小規模事業者持続化補助金について』

「小規模事業者持続化補助金」の公募が始まりました。締切は平成29年1月27日です。約2万件の事業者の補...

[ 銀行融資・補助金 ]

『金融行政の動向について』

日本の金融機関は、長らく「金融庁マニュアル」に縛られてきました。金融庁マニュアルの本来の目的は、金融機関...

[ 銀行融資・補助金 ]

コラム一覧を見る

コラムのテーマ一覧
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ