コラム

2016-04-25

ストレスチェック活用のススメ(31) ~事業者にとってのチェックの意義~


新緑が明るい色を見せ、だんだんと春の陽気が強くなってきたようです。
年度替わり以降の慌ただしさも、少しずつ落ち着きを取り戻しているのではないでしょうか。
熊本でもボランティアさんの受け入れが始まり、多くの方が思いを胸に集まっているようです。
私たちも、今できることをひとつずつ着実に進めていきたいと思っています。
 
さて、前回のコラムでは「労働者にとってのストレスチェックの意義」を考えました。
今回は引き続き、「事業者にとってのストレスチェックの意義」を考えます。
 
今回のチェックは、受検する労働者側に義務は課せられておらず、
チェック受検機会の提供や面接指導、面接指導後の措置などは
すべて事業者側に義務付けられています。
ですが、定期健康診断のように、個人の結果を事業者側が把握することができないこともあり、
「対策が打ちづらいのではないか」「義務を課せられるばかりで負担が大きい」などの
声をお聴ききすることも少なくありません。
 
では、厚生労働省は事業者にとっての意義を、どのように言っているのでしょう。
資料「ストレスチェック制度のねらい」では、下記の3点を挙げています。
 (1) 労働者がメンタルヘルス不調になることを未然に防止できる
 (2) 職場の問題点の把握が可能となり、職場改善の具体的な検討がしやすくなる
 (3) 労働者のストレスが軽減され、職場の改善が進むことで、労働生産性の向上など、
   経営面でのプラス効果も期待される
 
(1)については、これまでのコラムでも触れてきたように、このチェックの目的を
メンタルヘルス不調の「予防」のためとしていることと合致します。
ただ、当然のことながらチェックを受けるだけで「予防」になるわけではありません。
まずは安心して皆さんが自分の状態をチェックできるように、事前の周知を徹底して
「病気」のあぶり出しではないことを理解してもらうことが重要となります。
 
その上で、高ストレスと判定される方がなるべく面接指導の申出を行いやすくなるように、
申出窓口は誰が務めているのか、申し出る方法はシンプルにわかりやすくなっているか、
申し出る際に他の方々に知られる心配はないか、などの配慮を行うことで、
上記の「予防」であるというメッセージを裏打ちすることも大切です。
 
(2)でいう職場改善、またそのヒントとなる集団集計結果については、
現在のところ、「努力義務」という位置づけになっています。
ですが、個人結果の提出は基本的にないことを思えば、職場単位での健康リスクを把握し、
対策を打つことで、組織としてもチェックを実施した意義を感じられるのではないでしょうか。
 
ストレス要因には、人間関係が絡んでいることも少なくありませんので、
ハラスメント防止や情報伝達・共有の見直しに役立つヒントが、集計結果に現れてくると思います。
これまでも「数字は嘘つかないね」という言葉を、何度となく耳にしてきました。
それだけ、肌で感じている状況が、視覚化できていると思われているのでしょう。
もちろん、そうした職場では皆さんが正直に回答されている、ということも言えるでしょう。
 
(3)で言う「プラスの効果」については、「ワーク・エンゲイジメント」に代表されるように、
ストレス耐性が高くパフォーマンスも高い状態を職場のメンタルヘルス対策の目標に据える動きが
昨今のメンタルヘルス対策で特に強調されるようになっています。
 
たとえば休職される期間が長引くだけ、直接的な生産性低下が見られるだけでなく、
その間にカバーしている方々のモチベーションも低下していって……、
という悪循環を断ちきるのはもちろんのことですが、
それとは逆に充実して頑張っている方に良い影響を受けて、職場全体も活気が高まるといった、
前向きな効果を期待して対策を打っていくほうが、労働者側も「次も頑張ろう」と思えるはずです。
 
同じ毎年実施していくものであれば、労働者側も事業者側も、
漫然と「また今年もか」と思って進めるのではなく、
双方にとってプラスになるように目的や意義をしっかりと意識した実施にしていきたいですね。
 
 
 
お読みいただく中でお気づきの点やご質問などがございましたら、
こちらよりお知らせいただけますと幸いです。
http://www.cs-port.net/corporate/
 
※当社開発ツール
ストレスチェック義務化に対応した「職業はつらつ診断」
(厚生労働省研究班「新職業性ストレス簡易調査票」に準拠)
http://www.cs-port.net/sc/
 
<ストレスチェック 義務化 広島 メンタルヘルス>

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