コラム

 公開日: 2012-02-09  最終更新日: 2014-07-04

「“~のほう”の、苦い思い出」

もうじき、新入社員研修シーズンに入る。

広島西法人会さんの主催のセミナーでは今年もお世話になるが
「優しくも厳しい指導で定評のある」と紹介してくださっている。
そう、私は厳しいのです!(笑)

自分の新入社員時代の失敗は、思いっきり棚に上げて
今年もビシバシと体育会系で指導します。興味のある方は是非どうぞ。

///////////////////////

昔、デパートの案内所(受付)に勤務していた頃のこと。
未だに忘れられない思い出がある。

今はどうかわからないけど、当時、案内所では
微に入り細に入り、コト細かくマニュアルがあった。

たとえば、「ネクタイ売り場」がどこにあるか、
お客様が聞かれたら、マニュアル通りご案内しなければいけなかった。

「はい、ネクタイ売り場でございますね?
6階エスカレーター前でございます」というように。

これを「6階でございます」とか、「6階にあります」という風に
端折ったり、崩したりするのはもってのほかだった。

///////////////////////

案内所に勤務する者は、当然ながら、どこのフロアの、
どのあたりに何があるか、すべて知っていなければならなかった。

新入社員だったころは、毎朝、先輩からテストされたし、
勤務時間中は、先輩が斜め後ろに立って常にチェックしていた。

あの頃は、何よりも先輩の目が怖かった。
緊張と曖昧な記憶のせいで私は時々いや、しょっちゅう失敗をおかした。

「6階エスカレーター前“のほう”でございます」
と、つい言ってしまうのだ。



///////////////////////

「6階エスカレーター前でございます」
「6階エスカレーター前“のほう”でございます」

この違いがお分かりになるだろうか?

「~のほう」が付くと、エリアが広がるのだ。
エスカレーター前かもしれないし、斜め前、あるいはちょっと横かも、、、
というようなニュアンスになる。

お客様はそれでも、「ああ、そうですか」と納得してくださるのだが、
斜め後ろで見ていた先輩は納得しない。

「今のご案内を、もう一度言ってみてください」と、
冷ややかに言われ、指導を受ける、、、という毎日だった。

///////////////////////

今、研修などで「~のほう」を取りあげるたびに、新入社員時代に
叱られた、先輩の怖い目が思い出されて、内心苦笑する。

「~のほう」と言ってしまうこと事態が、致命的な間違いというわけではない。

ただ、シンプルでわかりやすい的確な表現というものを考えたときに
「~のほう」がなくてもいい場合は、ないほうがスッキリする。

今になれば、言葉のセンスを磨くのは、こういう気づきから始まるのかな?と思うのだ。

織田直子

この記事を書いたプロ

株式会社 アクエリアス情報研究所 [ホームページ]

講師 織田直子

広島県広島市中区本川町2丁目6-11 [地図]
TEL:082-297-4700

  • 問い合わせ

このコラムを読んでよかったと思ったら、クリックしてください。

「よかった」ボタンをクリックして、あなたがいいと思ったコラムを評価しましょう。

0

こちらの関連するコラムもお読みください。

<< 前のコラム 次のコラム >>
最近投稿されたコラムを読む
 
このプロの紹介記事
織田直子さん

自信がつく話し方指導のプロ(1/3)

 「私自身も昔は、大変なあがり症で、人前で話すどころか、授業中に手を挙げることもできない子どもでした」。相手を包み込むような眼差しとおだやかな口調で話すその様子からは、まったく想像ができない織田直子さん。「ものの言い方ひとつで、角が立つこと...

織田直子プロに相談してみよう!

中国新聞社 マイベストプロ

会社名 : 株式会社 アクエリアス情報研究所
住所 : 広島県広島市中区本川町2丁目6-11 [地図]
TEL : 082-297-4700

プロへのお問い合わせ

マイベストプロを見たと言うとスムーズです

082-297-4700

勧誘を目的とした営業行為の上記電話番号によるお問合せはお断りしております。

織田直子(おだなおこ)

株式会社 アクエリアス情報研究所

アクセスマップ

このプロにメールで問い合わせる
プロのおすすめコラム
「謹んで2014」

あけましておめでとうございます本年もどうぞ宜しくお願い申し上げます早速ですが、成人の日には「大人の話し方...

[ マナー&コミュニケーション ]

「何秒見つめていられますか?」

暑中お見舞い申し上げます猛暑続きですが、お変わりありませんか?長い?沈黙を破り、コラムをリスタートさせま...

[ 話し方ワンポイントレッスン ]

「笑顔の源は“お母さん”」
イメージ

これは研修で実際にあった話。電話応対の声がどうも暗い、早口、事務的、滑舌が悪い、、、電話の声を録音して本...

[ マナー&コミュニケーション ]

「ラッキー、ハッピー、クッキー」
イメージ

写真を撮るときに、なぜ「チーズ」というのか?これは「チー」と延ばす音の「イー」が、笑顔の口元をつくるからだ...

[ マナー&コミュニケーション ]

「キドニタチカケセシ ペット」
イメージ

初対面の人でも会話をしやすい話のネタとして「キドニタチカケセシ衣食住」と呼ばれるものがある。説明するまで...

[ 話し方ワンポイントレッスン ]

コラム一覧を見る

人気のコラムTOP5
スマホで見る

モバイルQRコード このプロの紹介ページはスマートフォンでもご覧いただけます。 バーコード読み取り機能で、左の二次元バーコードを読み取ってください。

ページの先頭へ